なにげない風景がふっと50年もの前の記憶をよみが得させることがありますから不思議です。
先日、議会報告配布をしながら歩いていてトマト畑を見て突然思い出したことです。
私の小学校の低学年の頃だと思われます。
夏休み、私は母に言いつけられ、家から遠く離れた畑で農作業している父に井戸で汲み上げたばかりの冷たい水をヤカンにいっぱい入れて父に届けることです。
当時はまだ冷蔵庫もなく、スイカを冷やすのも井戸水の時代でした。
畑の父に届ける頃はヤカンの表面は結露し流れ落ちています。
父に差し出すヤカン、父の顔は汗でいっぱい、おいしそうに飲む父。
帰りには少しやけかけたトマト畑から父はトマトを取り、私に渡すのです。
私はその暖かいトマトをかじりながら、きた道を引き返すのです。
ただそれだけの当時の風景、その記憶がよみがえるのです。
暑さで汗だらけの父の顔、結露したヤカン、水不足で枯れそうなトマト畑、そのトマト畑からトマトを収穫し私に渡す父の優しい顔、突然、よみがえるのです。
良く働いた父が他界し10年が経ちます。
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