わが輩は、犬である。名前はチロと言う.
父さんがつけたものだ。父さんから言えばチロは、2代目だそうだ。やっぱり一代も茶色だったらしい。
父さんは、茶色と言わずに金色といっているが。
わが輩も、この名前チロは気に入っているのだ。
上の写真の情けない「フランシスコザビエル」のような格好は、わが輩の、今の姿だ。胴に巻いているのは、ストッキングで作ってもらった包帯だ。家族のものは、タンクトップだと冷やかされている。首にはこんなものを付けられて、襟巻きトカゲみたいになっている。
それにしても不覚だった、正月3日、早朝の散歩中、勢い余って金属にあたり胸の肋骨部分をカギ状に10センチ以上も裂傷してしまった。あわてた父さんは、家に帰るなり、正月に開いている犬猫病院を探し、ただちに岡山市にあるセンター病院にむかった。裂傷を負った時は、やせ我慢したが、病院での治療では、痛さに思わずキャンキャンと泣いてしまった。わが輩にとっては、一生の不覚だった。危険は日常にあったな。
今日で10日目だ。まだ縫った糸を取るのはまだ先らしい。どうも不自由でいかん。これでは、背中も頭も掻けやしない。一番の痛手は、毛布に潜れないことだ。わが輩が「寒がり」であることを知っている家族が、毛布を掛けて気づかってくれるのはありがたい、わが輩の「人徳」のなせる技かな。
早く、この襟巻きを取って自由になりたい、自由はなにものにもまして重要だな。
ケガをして以来、家の中で暮らしているが、先日、父さんと母さんが、「チロのケガが治ったら外に出す」「中の生活に慣れたから、外に出ないというだろうな」と話あっていたな。わが輩には、言葉がわからないと思っているらしいが、わが輩はお見通しだ。
しばらく、甘えて、家の中で暮らしてやろうと思っている。
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