« ご町内の川掃除も、また楽しい。 | メイン | 消費センター、平成22年度消費生活相談状況について発表しました。 »
しろやまぶき
午前中、共産党市議団は、倉敷市の防災体制について防災危機管理室から説明を受けました。6月議会では、倉敷市の防災で提案、論議をいたします。
午後は、環境交流スクエア、鷲習山ビジターセンター第二展望台駐車場、児島産業振興センターの三施設を視察しました。
いつも和む花の写真を、ありがたく楽しんでいます。 どんなに忙しくても、文化の栄養は必須です。多忙であれば多忙なほど、ちょっと潤したくなります。 「やまぶき」が続いて、思い出したので、ちょっと投稿します。
――江戸築城で名高い室町時代の武将・歌人、太田道灌(1432-86)の故事にまつわる「やまぶき」の歌は、今もよく知られている。あのエピソードを、幕末の史家飯田忠彦(1798-1860)が漢文で書いているので、ややくだいた読み下し文にあらためて、紹介しよう。
…初め道灌、年弱くして、勇に誇り武に驕る。旦に暮に山野に畋猟し、健鳥を殪し、猛獣を挫き、未だ嘗て人情に通ぜず。 或る日、金沢(横浜の地名)の山に狩す。驟雨に会い、六浦を過ぎ、一弊ロ盧を訪いて、蓑を乞う。 応えなし。 須臾して一少女出て、款冬(やまぶき)一枝を視し、唯だ微かに笑うのみ。道灌、意を解せず。懌されずして帰る。 状を臣士に告ぐるに、老子あり、判じて曰く、「蓑なきのみ」と。 其の故を問う。 対えて曰く、 「奈奈返耶返、波那半佐久止母、也麻布伎乃、美乃比登津駄仁、難幾曾加南之支」と。 道灌、大いに慚じ悔やみ、初めて和歌を学び、遂に奥旨を得たりと云う。(『野史』武臣列伝)…
以上は、私が好きな一海知義さんの(陸游の研究)、『漢詩一日一首 春』(平凡社)にあります。紹介されたどの詩に対しても、一海さんの寸評が的確で嬉しいもの!です。加藤周一さんも、一海さんと親しいのですね。「東京から京都へハガキで何でも質問して頼りにしていた」とあります。
このごろは、文化・教養など吹き飛ばされて、「慚じ悔やみ」なし、という世相ですね。 とくに、「偉い人」が、ね。
投稿情報: 白井浩子 | 2011/05/10 12:07
私は、子どもの頃、母から太田道灌が、この歌に接し、己の無教養を恥じ身を入れ替えたとの話と、「七重八重花は咲けど山吹のみのひとつだになきぞかなしき」の歌を聞かされたものです。 この歌を、漢文にするとこんな漢字になるのですか。 なんというか、大和朝廷時代の漢字のような?
投稿情報: 田儀 公夫 | 2011/05/10 21:43
お母さんが、そんな話をしてくれたのですか。 ちょっと、誤解を解きます。 やまぶきの歌は、漢文ではなく、万葉仮名(漢字を音で読む。この漢字の草書がひらがなになったと思われますが)で書かれた「歌」です。 少女は、その「歌」を発声しなかったけれど、確かにその「歌」を知っていたのですね。 庶民にも教養があって嬉しくなります。
別件です。 時を見て、「出前上映会」しましょう。いくつか、DVDあります。皆さんからも借りられるでしょうし。
投稿情報: 白井浩子 | 2011/05/10 23:55
兼明親王 千人万首 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kaneaki.html
太田道灌 千人万首 http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/doukan.html
投稿情報: 参考 | 2011/05/11 00:51
みなさん。 ありがとうございました。 勉強になりました。 こういう故事や和歌が、私は好きなのです。
DVD見てみたいものです。
投稿情報: 田儀 公夫 | 2011/05/12 09:25
この記事へのコメントは終了しました。
いつも和む花の写真を、ありがたく楽しんでいます。
どんなに忙しくても、文化の栄養は必須です。多忙であれば多忙なほど、ちょっと潤したくなります。
「やまぶき」が続いて、思い出したので、ちょっと投稿します。
――江戸築城で名高い室町時代の武将・歌人、太田道灌(1432-86)の故事にまつわる「やまぶき」の歌は、今もよく知られている。あのエピソードを、幕末の史家飯田忠彦(1798-1860)が漢文で書いているので、ややくだいた読み下し文にあらためて、紹介しよう。
…初め道灌、年弱くして、勇に誇り武に驕る。旦に暮に山野に畋猟し、健鳥を殪し、猛獣を挫き、未だ嘗て人情に通ぜず。
或る日、金沢(横浜の地名)の山に狩す。驟雨に会い、六浦を過ぎ、一弊ロ盧を訪いて、蓑を乞う。 応えなし。 須臾して一少女出て、款冬(やまぶき)一枝を視し、唯だ微かに笑うのみ。道灌、意を解せず。懌されずして帰る。 状を臣士に告ぐるに、老子あり、判じて曰く、「蓑なきのみ」と。 其の故を問う。 対えて曰く、
「奈奈返耶返、波那半佐久止母、也麻布伎乃、美乃比登津駄仁、難幾曾加南之支」と。
道灌、大いに慚じ悔やみ、初めて和歌を学び、遂に奥旨を得たりと云う。(『野史』武臣列伝)…
以上は、私が好きな一海知義さんの(陸游の研究)、『漢詩一日一首 春』(平凡社)にあります。紹介されたどの詩に対しても、一海さんの寸評が的確で嬉しいもの!です。加藤周一さんも、一海さんと親しいのですね。「東京から京都へハガキで何でも質問して頼りにしていた」とあります。
このごろは、文化・教養など吹き飛ばされて、「慚じ悔やみ」なし、という世相ですね。
とくに、「偉い人」が、ね。
投稿情報: 白井浩子 | 2011/05/10 12:07
私は、子どもの頃、母から太田道灌が、この歌に接し、己の無教養を恥じ身を入れ替えたとの話と、「七重八重花は咲けど山吹のみのひとつだになきぞかなしき」の歌を聞かされたものです。
この歌を、漢文にするとこんな漢字になるのですか。
なんというか、大和朝廷時代の漢字のような?
投稿情報: 田儀 公夫 | 2011/05/10 21:43
お母さんが、そんな話をしてくれたのですか。
ちょっと、誤解を解きます。
やまぶきの歌は、漢文ではなく、万葉仮名(漢字を音で読む。この漢字の草書がひらがなになったと思われますが)で書かれた「歌」です。
少女は、その「歌」を発声しなかったけれど、確かにその「歌」を知っていたのですね。
庶民にも教養があって嬉しくなります。
別件です。
時を見て、「出前上映会」しましょう。いくつか、DVDあります。皆さんからも借りられるでしょうし。
投稿情報: 白井浩子 | 2011/05/10 23:55
兼明親王 千人万首
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/kaneaki.html
太田道灌 千人万首
http://www.asahi-net.or.jp/~sg2h-ymst/yamatouta/sennin/doukan.html
投稿情報: 参考 | 2011/05/11 00:51
みなさん。
ありがとうございました。
勉強になりました。
こういう故事や和歌が、私は好きなのです。
DVD見てみたいものです。
投稿情報: 田儀 公夫 | 2011/05/12 09:25