今日、9月議会最終日でした。会派を代表し討論に立ちました。
以下紹介します。
日本共産党倉敷市議団の田儀公夫です。会派を代表して討論を行います。
議決に付されました議案35件、請願5件のうち、6議案に反対し、1つの請願の採択を求めます。
最初に、議案第90号 平成28年度倉敷市一般会計補正予算第3号についてであります。
以下、順次反対の理由について述べます。その第1は、歳出の部、総務費、車両管理費、三菱自動車購入費40台分、4千9百余万円についてです。伊東市長は、報道によれば「水島製作所を応援する気持ちで思い切って購入する」とのことですが、この議案が提案される前、8月30日、さらなる燃費不正が発覚しました。9月15日、国交省は「三菱自動車が本年4月の燃費不正発覚後も、国の測定法と異なる方法を用い、燃費に有利なデータを自動的に選ぶプログラムを使用し、測定結果をかさ上げしようとした意図が疑われる、常軌を逸する事態だ」として、「経緯や背景を解明し、関係者の責任を明らかにすべきだ」とし、あらためて再発防止策を見直し、9月末までに報告するよう指示しています。ユーザーや世間を欺く再測定の不正など企業体質が問われています。三菱自動車の重ねての不正は地域経済の回復を遅らすものです。不正体質解明が求められている、この段階で、市民の税金を使っての支援は、支援の道理が成り立ちません。したがいまして、三菱自動車支援5千万円にも上る40台の車両購入は不適切です。
今、市が三菱自動車に求めることは、三菱自動車が地域経済に果たす役割が大きいことに改めて認識を求め、経営に苦しむ関連企業、下請け事業者、その従業員の救済などの補償を急ぐことではありませんか。この立場からこの予算を認めることはできません。
次に民生費、公立認定こども園運営費・債務負担行為1億6千2百余万円は、乙島東認定こども園、及び、平成29年度から認定こども園に移行する予定の琴浦西保育園の給食調理業務を民間委託するための予算です。本来給食調理業務は直営で行うべきものです。これは保育の公的責任を放棄するもので認められません。
さらに、衛生費、保健事業対策費77万円は、社会保障・税番号制度に対応するための予防接種システム改修委託料です。いわゆるマイナンバー制度に関わるものです。マイナンバー制度は昨年から個人番号通知が始まり一部で利用が行われています。しかし、安倍内閣は(閣議決定した)第2次補正予算で障害をおこしたカード発行システムの改修・補強、カードの利用促進などのために150億円以上を計上しています。すでに数千億円が投じられたシステムが本格運用した途端不調になったことは、構造的欠陥が疑われる問題です。マイナンバー制度は、国民の税と社会保障の情報を国が掌握し、徴税強化や社会保障給付の抑制の手段に使うことが導入の狙いです。国民の行動や思想を監視する手段にされかねないことへの不安と警戒の声も上がっています。問題だらけで危険なマイナンバーの仕組みを徹底検証し、制度の凍結・中止・廃止を含めた見直しすることこそいま必要です。
よって、この事業は認めることはできません。
以上の理由から議案第90号に反対致します。
次は、議案第102号、倉敷市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例の改正について
議案第103号 倉敷市幼保連携型認定こども園の学級の編成、職員、設備及び運営に関する基準を定める条例の改正について
議案第104号 倉敷市幼稚園型認定こども園、保育所型認定こども園および地方裁量型認定こども園の認定の要件を定める条例の改正について
議案第105号 倉敷市家庭的保育事業費等の設備及び運営に関する基準を定める条例の改正について
これら4件の条例改正については、いずれも、①朝夕の保育士配置の要件弾力化・緩和②幼稚園教諭及び小学校教諭の活用③研修代替要員等の加配人員における保育士以外の人員配置の弾力化を図るために、保育の現場に保育士免許を持たない、無資格者を配置しようとするものです。さらに、102号、105号は施設基準を後退させるものです。
これでは保育の質は確保できません。待機児童とされた保護者もどんな施設でも子どもを預けられれば良いと思っているわけではありません。保護者の願いは、安心して預けられる質の確保された認可保育所への入所です。厚生労働省の調査でも保育中の死亡事故の圧倒的多数は保育士の配置基準が低い認可外保育施設で発生しており、うつ伏せ寝による事故も繰り返されています。保育士の配置基準の引き下げは、子どもの命の危険に直結します。よってこの4議案には反対します。
次に議案第122号倉敷市営中庄団地整備事業契約についてです。
契約の金額は52億5千余万円です。この案件は、昨年9月議会で議決された債務負担行為54億1千余万円に基づくもので、平成30年度にかけて中庄団地建設を民間の資金、経営力、技術力を活用し、コスト縮減に期待できると、PFI手法で整備しようとするものです。私たち市議団は、こうした市営住宅の工事にあたっては、工区を分け分割発注を行い地元事業者の参入を促す手法を求めてきました。
市は今事業については、民間事業者が施設を建設し、完成後に市へ施設所有権を移転するPFI手法のBT方式の採用とあります。それでは、この方式で、どの程度コスト縮減が図られたかは全く分かりません。その上に、総務省行政評価局は、PFI法本来の目的は「利用料金など、税財源以外の収入によって費用を回収する」ものとの指摘に、まったく沿ったものになっていません。よってこの契約を認めることはできません。
最後は、請願第50号日本憲法を広めるためのパンフレット発行についてです。
委員長報告は不採択でありますが採択を求めるものです。この請願の趣旨は、来年、日本国憲法施行70年を迎えるにあたって、国民主権、平和主義、基本的人権の尊重という3原則を持つ日本国憲法は日本の誇り、この憲法をあらためて、普段の生活の中で生かすため、日本国憲法を記載したパフレットの発行を求めるものです。昨年9月19日に強行採決された安保法制・戦争法が施行・実施されようとしている今、きわめて時宜にかなった請願であります。よって採択を求めるものです。
以上反対討論と致します。
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